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原因と結果」の経済学-データから真実を見抜く思考法

「原因と結果」の経済学-データから真実を見抜く思考法」(中室牧子・津川友介/ダイヤモンド社)
について紹介します。

「原因と結果」の経済学_2019

・テレビを見せると子供の学力は下がる

この問いに「イエス」と答えた貴方、ぜひこの本を読みましょう(笑)
経済学の有力な研究はこれを否定しています。

因果関係…2つのことがらのうち、どちらかが原因で、どちらかが結果である状態
相関関係…2つのことがらに関係があるものの、その2つは原因と結果の関係にあるとは言えない状態

多くの人がこの問いにイエスと答えてしまうのは「因果関係」と「相関関係」を混同しているからです。
これを混同すると誤った判断のもとになってしまいます。

本当に因果関係が存在するのか。
最近の経済学はこの問いに答えることに大変なエネルギーを注ぎ込んでいるそうです。

正しく見分けるための方法論を「因果推論」と呼びます。
本書では因果推論の基本的な考え方を学ぶことができます。

事例は因果関係がはっきりしない、根拠のない通説が山のようにある教育と医療の分野です(笑)

特に興味深かったのが「ランダム化比較試験」に関するものです。
「医療費の自己負担割合」と「健康」の間に因果関係はあるのでしょうか?

米国で300億円もの研究費を使った壮大な実験が行われました。
結果は自己負担割合を高くしても、貧困層以外の健康状態は変わらないというものでした。

感情や思い込みにとらわれず、こういった実証をもって政策を決めて欲しいものですよね。
当然全てにこのような実験は無理でしょうが、他にも因果推論の手法が紹介されており勉強になりました。



※2019年15冊目
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プロフィール

RYU

Author:RYU
某企業で財務の仕事をしていました
その知識を投資に活かしています

日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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雑誌に掲載されました

☆ダイヤモンド・ザイ2018年6月号
☆ネットマネー2017年8月号
☆マネーポスト2017年春号、夏号

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