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コメダホールディングス 配当金の税務上の取り扱い②

コメダホールディングスは「珈琲所 コメダ珈琲店」を展開しています。

2016年6月に投資しています。
1,867円(調整後の取得価額は1,744円)で購入しています。

今回は前回(こちらを参照)に引き続き、今回の配当について考察したいと思います。

■資本剰余金からの配当について
当社の2Q連結経営成績を見ると親会社の所有者に帰属する四半期利益が2,199百万円あります。
これで中間配当すれば良いのではと思いますが、会社法上はそうは問屋が卸しません。

基本的に配当は最終事業年度末の剰余金をもって行います。
(臨時決算という手続きによって期間損益を含めることも可能です)

該当時点の当社単体の利益剰余金を見ると、84百万円しかありません。
今回の配当額は1,096百万円なので利益剰余金からの配当はできませんね。

その他資本剰余金は13,894百万円ありますね。

株式売出届出目論見書(142/170ページより)
http://www.sc.mufg.jp/products/stock/new/pdf/160527_3543_3.pdf

■この資本剰余金は?
今上場している当社は2014年11月に株式移転により完全親会社として設立されました。
その際の株主資本の変動が目論見書(144/170ページ)に記載されています。

㈱コメダの純資産の大半が当社のその他資本剰余金に組み変わったと推測されます。
今回の配当はこの資本剰余金が原資となっています。

なお、今回の上場は投資ファンドの売り出し案件なので、上場時に払い込まれたお金を
払い戻しているのでないと思います。

■今回の配当の意図は?
以下の点が考えられます。
①は公約なのである意味当然ですが、②③はどこまで考慮されているか不明です。

①配当目標の達成のため(決算説明資料より)
  ・当面は調整後当期利益ベースでの連結配当性向50%程度が目標
  ・中間と期末の年2回、剰余金の配当を実施する方針

②みなし譲渡損が発生する場合、他の譲渡益と損益通算可能で税務メリットを享受できる
 株主は存在する

③そもそも、みなし譲渡損が発生しない株主が存在する
  →320円/株で取得していればみなし譲渡損は発生しない計算です。
   上場後の株主は不可能ですね。それ以前から株式を持っている方はどうでしょうか?

■話変わりますが…
2016/11/15、当社HPに「第3期 中間株主優待について」が掲載されています。
「ギフト詰合せ内容」が紹介されていますよ(=゚ω゚)ノ

コメダホールディングス(東証1部、3543)の主な指標(2016/11/16現在)
株価 : 1,702円
PER(予想) : 16.69倍
PBR(実績) : 3.26倍
EPS(予想) : 101.95
1株配当(予想) : 50.00円
配当利回り(予想) : 2.94%

株主優待
権利確定月 2月末日・8月末日
100株以上
プリペイドカードKOMECA送付後、以下の①又は②のどちらかを選択
①コメダで利用できる1,200円分の電子マネー
②ギフト(自社製品詰め合わせ)

総合利回り(予想) : 4.35%


今日のランチはコメダ珈琲店の昼プレートに。
美味しかったですが、サラリーマンがサッと食べる分にはいいお値段しますね。

コメダホールディングス_2016⑧
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プロフィール

RYU

Author:RYU
某企業で財務の仕事をしていました
その知識を投資に活かしています

日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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雑誌に掲載されました

☆ダイヤモンド・ザイ2018年6月号
☆ネットマネー2017年8月号
☆マネーポスト2017年春号、夏号

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