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行動経済学入門 多田洋介

「行動経済学入門」(多田洋介/日本経済新聞出版社)について紹介したいと思います。

前々から行動ファイナンスに興味があったので、まずは基礎となる行動経済学から勉強です。

経済学が典型的に分類の前提としている人間像には3つの非現実的な特徴があると説きます。
①無尽蔵な合理性
②完璧な自制心
③極端な利己主義

私は③には自信がありますが、①②はお手上げです(笑)

本書の主たるメッセージは以下の通りです。

こうした人間像(注:上記①~③)を無批判に信用しても、現実の人々の行動や経済現象のすべてを説明できるわけではなく、合理性の限界や損失を嫌う性格、自分を律する能力の限界、相手の態度に対して自分の態度を決める行動原理といった心理的なファクターを人間像に加味することが必要である


各章で紹介されている行動経済学の心理モデルは、上記の3つの課題に対応しています。

最適化コストに基づく限定合理性や近道選び、プロスペクト理論 → ①
時間非整合的な選好(あるいは双曲的割引モデル) → ②
相互応報的行動原理 → ③

投資という観点からみると、やはりプロスペクト理論は外せないですね。
本書では以下の通り説明されています。

「損失をそれと同じ規模の利得よりも重大に受け止める」「わずかな確率であっても発生する可能性があるケースを強く意識する」という、人々にある程度共通に見られる行動パターンを理論的に説明するための分析ツールです。


本書では第5章「非合理的な投資家は市場を狂わす-行動ファイナンスの世界」として、
行動経済学の最先端の応用分野である行動ファイナンスについて言及しています。

まず伝統的な効率的市場仮説に対する問題点が挙げられています。
そして、そのかなりの部分を行動ファイナンス理論で説明できると説いています。

・近道選びやプロスペクト理論により、投資家の行動は必ずしも合理的とはいえない
・非合理的な投資家が存在することにより、必ずしも合理的な投資家による裁定取引が機能しない
・逆に彼らの行動が市場の価格形成をより非合理的な方向に導いてしまう

投資家の行動が必ずしも合理的ではなく、裁定取引が機能しないことは認識ありましたが、
3点目の価格形成をより非合理的な方向に導くというのは驚きでした。


難しい本ですね(=゚ω゚)ノ
あんまり上手くまとめることが出来ませんでした…



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RYU

Author:RYU
某企業で財務の仕事をしています
その知識を投資に活かしています

日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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☆ダイヤモンド・ザイ2018年6月号
☆ネットマネー2017年8月号
☆マネーポスト2017年春号、夏号

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